自然の声を「通訳」する人になる ― OEPインタープリター養成事業、2026年度カリキュラム始動【大沼エデュケーションプロジェクト(OEP)】

北海道・七飯町の大沼国定公園。駒ヶ岳が生んだ湖沼群と湿地、そして森。この豊かなフィールドには、実はまだ多くの人に知られていない「物語」が眠っています。
その物語を見つけ出し、訪れる人にわかりやすく届ける仕事——それが「インタープリター」です。大沼エデュケーションプロジェクト(OEP)は、この人材を育てる「OEPインタープリター(ATガイド)養成事業」の2026年度カリキュラムをスタートさせました。
今回は、「インタープリターって何?」という基本のギモンから、2026年度の研修内容まで、たっぷりご紹介します。
インタープリターって、そもそも何をする人?
「通訳」だけど、外国語じゃない
「インタープリター」と聞くと、多くの人が思い浮かべるのは「通訳の人」ではないでしょうか。実はその通り、インタープリターは「通訳者」です。ただし、英語やフランス語を日本語に訳すわけではありません。
インタープリターが訳すのは、自然や地域が発している「言葉にならないメッセージ」。それを、誰にでもわかる言葉に置き換えて伝えてくれる案内人のことを言います。
水草ひとつから、物語が生まれる
たとえば、大沼の湖に浮かぶ一本の水草。ガイドなしで見れば「あ、水草があるな」で終わってしまいます。
でもインタープリターが一緒にいると、こんな風に変わります。
「この水草、実は増えすぎると困ったことが起きるんです。なぜなら…」「この植物と私たちの暮らしは、実はこんな風につながっているんですよ」
ただの景色が、地域の歴史や課題、そして未来へのヒントまで含んだ”深い物語”に変わっていく。これがインタープリターの力です。中学生や高校生が抱く「なぜ?」「どうして?」という素朴な好奇心にもその場で丁寧に応えてくれるので、学びがどんどん広がっていきます。
ガイドとの違いは「伝える力」にある
道案内や安全管理をするだけの人ではなく、自然と人との”翻訳者”として、感動や気づきを生み出す。それがOEPが目指すインタープリター(ATガイド)の役割です。
インタープリターになると、どんな仕事ができるの?
「資格を取った後、実際に何ができるの?」という疑問にお答えします。OEPインタープリターとして認定されると、大きく分けて2つのフィールドで活躍することができます。
① 教育旅行(修学旅行・校外学習)のガイド
大沼国定公園を教室にした「スタディツアー」で、中学生・高校生を案内する仕事です。湖の水質や外来種の問題、観光と暮らしのバランスなど、大沼が抱えるリアルな地域課題を教材に、生徒たちの「気づき」を引き出しながらツアーをファシリテートします。10名から200名規模まで対応する教育旅行の現場で、地域の「語り部」として活躍できます。
(※スタディツアーについての詳細は→コチラ)
② 個人のお客様向けガイド事業
修学旅行だけでなく、個人旅行で大沼を訪れる観光客のガイドとしても活動できます。サイクリング、カヌー・カヤック、ウォーキング、スノーシューなど、四季それぞれのアクティビティを通じて、大沼の自然や歴史を一人ひとりのペースで伝える仕事です。「また訪れたい」と思ってもらえる特別な時間をデザインする、まさに「観光まちづくり」の担い手そのものと言えます。
このように、OEPインタープリターの資格は、教育旅行の受け入れ先としても、個人のお客様向けガイド事業としても活かせる、大沼エリアで長く活躍できるスキルになります。
大沼公園には、なぜ今インタープリターが必要なのか
150年の歴史を持つ観光地が直面する課題
大沼公園は、日本で最も古い観光地の一つとして150年以上にわたり多くの来訪者で賑わってきました。しかし近年は利用者の減少が続き、風光明媚な日本庭園のような景観だけでは、現代の旅行者を惹きつけるには物足りなくなってきているのが実情です。
JALと歩んできた「水循環×持続可能な観光」
そこでOEPは、JAL函館支店と共に「水循環×持続可能な観光」をテーマに、自然体験型観光のコンテンツ開発と担い手育成に取り組んできました。隠れた観光資源を掘り起こし、アドベンチャートラベルのコンテンツを造成しながら、2025年度には6名のOEPインタープリターが誕生しています。
2026年度は「通年型」「地域巻き込み型」へ
2026年度は、住民や周辺地域の関係者も広く巻き込んだ、通年型のインタープリター養成講座を実施します。ガイド経験の有無は問いません。大沼の自然や地域に関心があれば、誰でもチャレンジできる門戸の広さが魅力です。
2026年度 OEPインタープリター養成カリキュラムのご案内
年間を通して、季節ごとに異なるテーマの実地研修を行いながら、自然体験型観光の基礎理論と運営方法を学んでいきます。
- 7/15(水) 水循環と地ビールのサイクルラリー造成
- 8/19(水) 大沼湖畔生の物語を巡る水上ラリー造成
- 9/9(火) 農業体験ガイディングの組立(修学旅行補佐・OJT方式)
- 10/17(土) ワイナリーと葡萄畑のサイクルラリー造成/大沼湖畔ナイトウォークラリー造成
- 11/11(水) 毛皮産業ルーツを巡るウォークラリー造成
- 12/9(水) 危険予知・寒冷ロープコース+安全管理概論
- 1/11(月・祝) スノーシューウォークラリー造成
- 2/10(水) 氷上FATのサイクルラリー造成(修了式)
サイクリング、カヌー・カヤック、ウォーキング、スノーシューと、四季折々のアクティビティを実地で体験しながら学べるのが最大の特徴です。ガイド経験にかかわらず、ウォークラリーなどの半セルフガイドツールを活用し、お客様に「学びながら楽しんでもらう」技術を身につけていきます。
さらに、関東からの修学旅行における農業体験ガイドの補佐としてのOJT研修も予定されており、実践の場で経験を積むことができます。
対象は大沼公園や自然体験型観光に関心のある方(経験不問)。定員は10名程度(先着順)で、受講料は各回実費(内容により異なります)です。
あなたも大沼の「翻訳者」になってみませんか?
一本の水草も、一枚の落ち葉も、インタープリターの言葉を通すことで、忘れられない物語に変わる。大沼国定公園には、まだ語られていない魅力がたくさん眠っています。
経験は問いません。必要なのは、大沼の自然と人に興味を持つ気持ちだけ。
2026年度の養成講座は、あなたが「伝える人」になる一年間のスタートです。
▼ OEPインタープリター(ATガイド)養成事業について、詳しくはこちら
ユーカラグループ株式会社 Nabeya
TEL:0138(67)2311
Email:Onuma.oep.project@gmail.com
https://yukara.jp/oep/
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